2024年2月掲示

宗教は人間の苦悩を救うのではない 苦悩の人間を救うのである

安田理深師のお言葉です。

人間の苦悩は生まれたときからのお約束です。
お釈迦様は「生」「老」「病」「死」の四苦と、「愛別離苦」「怨憎会苦」「求不得苦」「五蘊盛苦」の、合わせて八苦は誰もが平等に受けなければならない「一切皆苦」と教えて下さいました。

苦しみを救うと言う事は、自分だけが都合よく生きることができるということで、関係性を生きている私達にはあり得ないことです。もしこの苦悩を救うことができることを言う宗教が有るのならばそれは「まやかし」です。

宗教とはその苦悩を受け止めることが出来るようにうながすものです。

「鬼は外 福は内」と己の鬼の罪悪を帳消しにして、我が身の福だけを追い求めるのでなく、内なる鬼を持つ自分に対して、悲しみ痛むことを教え続けてくださるのが宗教です。そのような私だからこそ救わずにはおれない仏の働きをいただき続けるのです。

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